北アルプス:
  新穂高ロープウェー~西穂独標~焼岳
  焼岳~中尾温泉~飛騨古川:八つ三館
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前書き
 6月から検討しはじめたミク友ご夫妻との夏山計画。

時間だけはたっぷりの我らシニアです。
ゆっくりと車移動し、まずは現地で一泊して休養。そして翌日から歩きをスタートし、
下山後も現地で一泊。疲れをとってから車移動で帰宅とのんびり旅が基本です。

現役時代の慌ただしい苦役のような山旅
   「仕事を終えて早朝に家を出て、現地の山小屋または山頂まで移動。
    下山後も長距離列車とバス乗り継ぎで即帰宅。
その夜は山行きレポの作成と明日の仕事の順準備。
   もちろん翌日には出勤」
といった山旅は遠い昔の思い出です(^_^;)。

さて、どこの山域にしようか、どの山にしようか。
  「ノンビリ旅とは良いながら、流石に一山で帰るのは勿体ない、せめて二山を」とか
  「車移動だと南アルプスはちと遠いかな」 などと楽しく悩みながらの選定。
結果、選んだのが
「新穂高ロープウェーで西穂高独標と焼岳を縦走し、飛騨古川の老舗料亭旅館で一泊」
の贅沢な山旅企画です。
以下はMIXIの速報ブログからのコピーです。後ほどHP専用に更新して
写真も拡大できるようにします。

8/21 徳島=新穂高ロープウェー 鍋平=西穂高口-西穂山荘
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   山の全行程(GPSとカシミール)
時間たっぷりのシニアとは良いながらも、お互い色々と現世とのお付き合いも少しはあります。また現役世代の休日活動をディスターブしないようにと、日取りもお盆明けの少し遅めに設定です。
ミク友と相談しながら6月にほぼ全容を決定。間近に迫ったところで、山小屋、老舗旅館に予約をいれるも、ここに来て各地で豪雨被害が頻発して天候が不安定に。

万一に備えて、計画のバリエーションを検討です・・・新穂高ロープウェーが動かなかったとき、雷警報が出てたときなどに備えて、ロープウエー下の宿候補を値段と空き室情報を調べて複数洗い出してリストアップ。
そして、調査の最後は新穂高ロープウエー情報です。駐車場とかロープウエーの混み具合を出発前日に現地窓口に電話で確認。
フォト これで、やっと出発の日を目出度く迎えてミク友ご夫妻と合流。ミク友の華麗なる運転でなんと7時間もかからずに奥飛騨温泉郷に到着です。麓の小さな食堂で早めの昼食をとり、鍋平駐車場へ。ここには新穂高ロープウェーの中間駅があります。駅近くの場所は一日500円。駐車料金はロープウェーの切符売り場で何日の駐車ですと自己申告で支払います。なかなかの信頼関係(^_^)。
切符売り場の窓口前にはザックの重さを量る秤が置いてあります。8Kgを超えると別途料金だが、ぎりぎりクリヤです。 フォト フォト
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    ロープウエー駅 西穂高口
車移動の途中で降り出した小雨もやみ、山旅の時に契約する携帯版ウエザーニュースでも雷注意情報はなし。これなら少なくとも西穂山荘までは行けそうです。
中間駅には前日まで西穂高方面に行かれてたハイカーの話では、前日も今朝も雨だったとの事。幸い、我らの出発時には晴れ男・晴れ女のパワー?が効いたか、雨具は必要なくスパッツ装着のみで十分です。
フォト 歩きやすい登山道です。すれ違うハイカーは雨具装着の人が多かったです。 フォト
フォト 歩きやすい登山道をコースタイム通りの約1時間半で山荘に到着。夏の花は終盤になったのか少なめで、山荘近くにアキノキリンソウ、トリカブトの群生など秋の花が目立ちました。

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通年営業の西穂山荘は収容人数300名の大きな施設できれいです。スタッフの対応も気持ちよく快適。食事も良かったです。
夏山ピークをずらしましたが、それでも食事が二交代になるくらいの客数でしたが、事前にキャンセル待ちで予約していた個室に我ら4人で入れました。
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さて、明日は円山そして独標までピストンしてから焼岳へ縦走です・・・携帯版ウエザーニュースの山の天気予報では強風注意は出ていますが、昼から晴れるとのこと。安心していたら、なんと夕食後は雨が降り始めました。翌日は朝食前に円山ピストンで日の出を予定していたが諦め、もうひとつのバリエーションとして考えていた西穂山荘での停滞になりませんようにと願いながら就寝。

8/22 西穂山荘-独標-西穂山荘-焼岳小屋

今回の山旅二日目です。西穂山荘から独標をピストン。その後、割谷山コースで焼岳小屋へ縦走。天候回復で予定変更して焼岳をピストンして焼岳小屋で宿泊です。

フォト 西穂山荘の朝食は5時開始。夕食ほどではないが、山小屋にしては立派な内容で満足。
さて、雨は上がったが霧が立ちこめ、かなり強い風が吹いているが、山荘もヘリ運搬の準備を始めています。酷い天気にはならないかも。
なので、荷物を山荘にデポして、ウインドブレーカー代わりに上の雨具とスパッツを装着、水だけもって6時過ぎに独標へとに出発。
早速の岩をよじ登って身体も目覚めたところでまずは丸山へ。 フォト フォト
この周辺は花畑になっていて、かつ展望もある筈・・・だが、花は終わったかメインはトウヤクリンドウ。展望もガスで皆無。 フォト フォト
フォト フォト 独標に向かうにつれて次第に岩ゴロゴロとなり、最後の岩登りはなかなかのもの、緊張感を楽しめます
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この天気でも西穂高へ進まれる方もおられますが、まずは独標から岩場を急降下しないといけない。そこを覗いただけで怖気がザワザワ。
実はその後がもっと怖い。両側が切れ落ちた岩の細尾根をたどり、更に10本もの岩稜を越えた先が西穂高だとか。こうしたガスで下が見えないときがチャンスかも・・・でも私の技量ではとてもチャレンジできません。
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今回はガスで展望がなかったので独標から西穂高の山なみがどうなっているのか調べて見ました。
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フォト フォト というわけで、予定通りに山荘へピストンで戻ります。空身だし、ほぼコースタイムで歩けたようです

山荘に戻っても霧は晴れず、山荘のヘリ輸送もまだ始められないようです。
我らが小休憩しているうちにひと組のツア団体が出発。
さて、我らも20分ほど休憩してから上高地・割谷山コースに出発。このコースにはまだ花が少し残っています。
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登山道は途中で左右に分岐します。左が上高地、右の割谷山コースは初めてですが、ネット情報では泥濘んだ木の根っこなどが張り出した歩きにくい道、林の中で展望ももうひとつのうえに虫(あぶ?)が多いとの事。
でも一般コースだし、簡易山歩きのツアも通るようです。コースタイムは3時間となっていますが・・・いやあ滑りやすい泥濘んだ道だし、岩もあって歩きにくい。

更に割谷山のトラバース、定評通りに登山道は飛騨側に斜面が切れています。笹の根っこが張っていて通過には緊張します。
ネット情報にあったロープはなくて、笹の束を掴んで通過。結局、3時間のコースタイムを大幅に超過、途中でお弁当タイムをとったとはいえ焼岳小屋まで4時間半もかかってしまいました。
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割谷山を回り込んだ辺りから霧が少し晴れてきて、上高地側の展望が出てきました。上高地の施設、その向こうには霞沢岳、振り返るとたまに霧の隙間に西穂高近辺とか明神岳など。やっと山荘のヘリ輸送も始まったか、何度も往復しています。

やっとの思いで(^_^;)で到着した焼岳小屋。予定では今日のお仕事はここまで・・・でしたが、途中で一緒になった健脚男性に「お天気が回復した。焼岳はイマデショ」のサゼスチョン。

疲れ気味の我らも、明日は天候不順の予報だし、空身でピストンできる。急に元気になって焼岳に登ってしまい、明日は焼岳-中ノ湯はやめて上高地におりましょうと変更。
更に後で、西穂高をピストンされたその男性に教わって、翌日の予定も再々変更。上高地下山から中尾温泉コースの下山に変更。タクシー代の大幅節約になりました。
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8/22 焼岳小屋-焼岳-焼岳小屋
○8/23 焼岳小屋-中尾温泉-鍋平

さあ、続いては焼岳小屋-焼岳ピストンそして翌日の急遽変更した中尾温泉への下山です。
西穂山荘から同じコースをたどったベテラン男性の「お天気が回復した。焼岳はイマデショ」のサゼスチョン。急にヤル気を出して前倒しでの焼岳ピストンです。
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確かにお天気は急激に回復し、笠ヶ岳方面。西穂高~奥穂高~明神岳方面、 フォト フォト
フォト フォト もちろん下の上高地、右側は霞沢岳方面と遠くには蝶ヶ岳?も。
上高地のバスターミナル、河童橋もズームすると見えます。

展望を満喫し約3時間で焼岳小屋までピストン、小屋の横の簡易テントで汗を拭いて着替え。
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この小屋は昔懐かしい山小屋らしい山小屋。定員25名の小さな小屋です。二階の寝床には垂直のハシゴで移動。トイレはもちろん屋外。飲める水はなく購入のみ。

今日の泊まりは20名弱と定員未満ですが、広くないフロアには布団が敷き詰められて隙間がありません。でも布団一枚に一人の贅沢さです(^_^)。
同宿したのは話し好きの女性を含む山の会グループ、下調べに来られたツアリーダーの女性、そして静かなベテラン男性など、山慣れた人が多いのは小屋の性格からして当然かも。

フォト 翌日、やはり雨模様。いやあ前日に焼岳に登っておいて良かった。背中を押してくれたベテラン男性に感謝感謝です。
もう下山するだけだが、ウエザーニュースによると10時には本格的な雨になり、昼からの大雨注意も出しています。

少し早めの6時半に中尾温泉へと下山を開始。この道も雨が多いと登山道が冠水するらしいが、昨日の割谷山コースより歩きやすい。
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フォト 途中の秀綱神社
 秀綱は戦国時代に飛騨一円を従えた三木自綱の子。
飛騨高山の松倉城主だった。1585年の羽柴秀吉による飛騨攻めで落城。
 秀綱は身重だった奥方と信州波田城へ落ち延びる際に、険阻な中尾峠 を越す道で一夜を明かした。あと一息というところで不運にも杣人の 手にかかり秀綱と奥方は最期をとげた。その祟り?を恐れてゆかりの地に道中安全と家内安全の守り神として神社を建立・・だそう。
途中の秀綱神社、白水の滝、ヒカリゴケの岩穴などを経由して足洗谷の砂防工事林道に下山。 フォト フォト

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フォト 林道を中尾温泉まで下る途中に京大の防災研究所を発見。だいぶ疲れも溜まってきているので、お願いしてバーベキュー施設らしい小屋で休憩し、タクシー会社に電話。40分ほどで来てくれたタクシーで鍋平の駐車場まで運んでもらいました。
実は、研究所から鍋平までショートコースがあってタクシーの運転手によるとワンメータほどの距離だとの事。でもあの道は判らないだろうなあ。
帰宅後に、グーグルマップで調べたら約3.6Kmで徒歩49分でした。ワンメータよりは長いし、歩くのはちょっとシンドカッタのでは。 フォト
フォト ミク友の車に移って、近くの「ひがくの湯」で汗を流し、昼食をとって飛騨古川に向かいます・・・飛騨古川の老舗料亭旅館の豪華宿泊は、「次のこころだ~」。

○8/23 鍋平-飛騨古川 八つ三館
○8/24 飛騨古川 八つ三館-徳島

今回の夏山の旅、締めは飛騨古川の老舗料亭旅館「八ツ三館」での贅沢なひとときです。

ここ「八ツ三館」は約160年の歴史をもつ老舗旅館で「映画 あゝ野麦峠」そして「映画 ゼロの焦点」のロケ舞台にもなったそう。
歴史を感じさせる建物、門など・・・国の有形文化財にも指定されています。
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フォト フォト 館内はセンスの良い調度品がさりげなく飾られており、館内にはシアタールーム、リラクゼーションルーム、鹿鳴館風のフランスと和を折衷したような応接などゆったりとくつろいだ空気が流れております。
国登録有形文化財の招月楼、我々の泊まった次の間に囲炉裏のある観月楼、更に特別室もあるようです。

食事はもちろん味音痴・料理音痴の私でもわかる、「ひと手間もふた手間もかけ、見た目も味も素晴らしいものでした」。
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ところで、野麦峠ですが、
 明治から大正にかけて、飛騨地方の貧しい農家の娘達は、
 野麦街道を徒歩で信州の製糸工場へ働きに行ったが、
 まず、古川・高山の町に集まったそう。
本「ああ、野麦峠」によると、
  八ツ三館の前は工女の荷物を取りに来た親達で、毎日ごった返して、
  廊下や裏庭は足の踏み場もなかった。・・・工女を泊めるというばかり
  ではなく、送り迎えはもちろん、検番たちの工女募集の根拠地となり
  ・・・あたかも信州製糸の出張所のような役割を果たしていた。
とか。
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